IDF 戦闘機の成長を追って来た私にとって最初の実戦飛行隊の創設は、非常に感銘深い事だった。台湾の友人が私に送ってくれたVHFテープに記録された台湾テレビTTVの報道番組”IDFの実戦配備”を食い入るように何度も見た。
 1994年12月24日(民国 83年)の第3大隊第8中隊の成軍飛行パレードは、CCKのランウェイに第3大隊第8中隊の18機ものIDF経国戦闘機が並び、午後2時に一斉にフライトを開始した。第8中隊長 王長河中校のインタビューも交え全国に報道されたこのイベントは教育飛行隊であった第7中隊の成軍式典と比較しても、いよいよ本格的な実戦部隊が稼働し始めたという印象で台湾国産戦闘機の夢が実現した瞬間を伝えるものだった。
(Insignia of 3AG) 
第3大隊
3rd AIR GROUP
The Period of I.D.F
着陸を終えてタキシーウェイを進む1613号機。タキシング先頭の機体だが2名のパイロットが共に上空を見ているのは、サンダータイガースが演技をしていたからである。背景に見えるのはF-104Gで、既に引退した機体をデコイ(おとり)として滑走路脇に並べているものである。この2年後には殆ど片付けられ 姿を消していた。
写真で見ると大きな機体に見えるが、全長は14.48m。F-16が15mなのでF-16より若干小さいサイズなのだ。エンジンは非力で2本合わせてもF-16のエンジンの80%の推力しかない。しかしマッハ1.8の速度は出る事になっている。
HOME
Wings
1994年の第8中隊(IDF飛行隊)の始動から1年、早速1995年のCCKオープンに顔を出すことにした。18機とまでは行かなかったが、かなりの数のIDFがフライトして航空祭を盛り上げてくれた。機体の塗装が真新たしくインシグニアなど所属を示すマーキングが一切ない事が創設時の状況を表している。確か、このタキシーウェイ上に15機が並んでいたはずだ。
8th TFSは実戦部隊とは言え、IDF自体が複座型を優先して生産した事もあるが、最初の飛行隊として教育部門を重視していると思われ、複座型が極めて多い。ここに並んだ15機のうち 約半数の7機が複座型であった。